爾佐加志能為神社にさかしのいじんじゃ


 島根町野井の港から北へ向かうと、集落のはずれに神社があります。令和三年が遷宮ということで、ちょうど社殿の工事中でした。御祭神は御仮殿に御動座中ということでした。

 当神社は延喜式神名帳登記の神社にして・・・創立年代不詳(神国島根)

 『出雲国風土記考證』に「往昔は野井浦沖の加志島に鎮座ありしを、風波のときには社参もなりがたきにより、同浦の陸地に移し、俗に加無利神(風土記鈔に神守)と云ったが、年経て大波に及び、野井浦の氏神の社に合せ祀りし由なり。大巳貴命を祀る」とある。・・・旧社地は築島で築島神社といっていたが、陸地に移して三加守様とよばれたようである。現在、野井児童館の裏に三加守様が祀られている。(出雲神社探訪)

 宝永七(1710)年の「雲州四十二浦の詠歌」にみえる野井の神社は日御崎神社であった。当時、古代の爾佐加志能為神社の系譜を引く「加無利明神(神守大明神)」は零落し、椎の木祭っていた。当然、参拝客は社殿を持つ新しい日御崎神社に参拝したが、明治に入り「延喜式」重視により、日御崎神社に「加無利明神」を相殿にし、社名を古代の「爾佐加志能為神社」にして今日に至っている。「爾佐加志能為神社」の旧社地は野井の漁業組合付近であった。(境内説明板)

 雲陽誌に、「日御崎太神宮 素盞鳴尊大日孁貴素盞鳴五男三女なり、・・・天正十九年建立の棟札あれども勧請暦代しれず」、「加無利明神 椎の木を神木とす」とあります。

 出雲風土記:爾佐加志能為社にさかしのいのやしろ
 延喜式:爾佐能加志能為神社
 主祭神:大巳貴命おおなむちのみこと
 配祀神:天照大御神あまてらすおおみかみ
 境内社:疫神社、(合殿)疱瘡神社

 所在地:松江市島根町野井155
 訪問日:2021年5月12日

鳥居の扁額

手水鉢

平成二年の狛犬御仮殿

昭和三十三年の狛犬

拝殿本殿

右の境内社左の境内社

神社前に大きな岩がある。




松江の神社