虫野神社むしのじんじゃ


 鳥居の両側にある狛犬の乗った石灯籠には、それぞれに弘化三年(1846)、昭和五十六年の刻みがありますが、文字がはっきりしているので、弘化三年の灯篭を昭和五十六年に作り直したということでしょうか。
 拝殿の右の境内の隅に岩に乗った猿の像が置かれており、「願い猿」と表示がありましたが、どういう言われがあるのかは不明です。

 名前の由来について、「この山原に悪虫が住んで、田圃に害を与えたため、大穴貴命は大変これを心配し、長らくこの土地に留ってその害虫を駆除されました。そのご功績を尊び、神徳を仰ぎ、この地に奉斎したとされます。」(持田公民館 里の息吹)とあります。

 「明治44年(1911)新宮神社が虫野神社に合祀されたとき、新宮神社の境内に祭ってあった若宮八幡宮は現在、虫野神社の裏山に社殿をもうけて祭祀されている。」(ふるさと持田の彩り)

 「蟲野明神 古事記に曰く、蟲野社 その父大神蘆原色許男命を八田間大室に喚び入て頭の虱を取らしむと 即蟲大明神是なり 風土記に蟲野社あり」(雲陽誌)

 出雲風土記:蟲野社むしののやしろ
 延喜式:
 主祭神:大穴貴命おおなむちのみこと
 配祀神:伊邪那美神いざなみのかみ速玉男尊はやたまおのみこと事解男尊ことわかおのみこと天之御中主神あまのみなかぬしかみ高産巣日神たかむすびのかみ神産巣日神かみむすびのかみ国之常立神くにのとこたちのかみ豊雲野神とよくもぬのかみ宇比地邇神うひじにのかみ須比智邇神すひじにのかみ角杙神つのぐいのかみ活杙神いきぐいのかみ意富斗能地神おおとのじのかみ大斗乃辯神おおとのべのかみ淤母陀琉神おもだるのかみ阿夜訶志泥神あやかしねのかみ伊邪那岐神いざなぎのかみ
 合祀社:新宮神社、荒神社、天満宮
 境内社:若宮八幡宮(祭神:誉田別命ほんだわけのみこと

 所在地:松江市福原町547
 訪問日:2021年2月10日


参道入口に大きな石灯籠がある。杉の木立の中に参道の石段がある。

鳥居の両側に石灯籠と、右に手水鉢がある。

石灯籠の上に狛犬が乗っている。弘化三年と昭和五十六年の刻みがある。

石段上の狛犬

境内の一段上に拝殿がある。扁額

本殿石灯籠に明治三十六年の刻みがある。本殿右の高台に境内社がある。

若宮八幡宮拝殿右前の境内隅に猿像がある。




松江の神社