布宇神社ふうじんじゃ


 玉湯町林の本郷地区の西の丘陵の林の中にあり、集落の後から長い石段の参道があります。
 現社地に遷る前の旧社地が字「元宮」として、湖岸付近に残っています。

 「この地は『出雲風土記』に『拝志ノ郷』と記されている。この地名の起源は大己貴命が越の国(現在の北陸)八口を平定に向われる途中、この郷に樹木が繁茂しているのをご覧になり、自らの勇ましい御心に副り「吾が心の波夜志なり」と詔ったことによる。
 当社は『出雲風土記』に『意宇郡波夜志郷布宇社』と記されてあるが、もとはこの所にあったのではなく『出雲風土記』に『此ノ地ニ正倉アリ』と記されてある正倉のあったといわれる現在の元宮と称する所が当社の旧社地である。しかしながら当社は元禄十二年(1699年)火災により古書古物を悉く焼失したため起源経過等明らかでない。
 焼失後現在地に移築奉斎され当初社殿を西向きに建立されたが明治二十七年(1894年)五月に現在のように造営され今日に至っている。
 当社の通称を『風ノ宮』と申しているが、元寇の際祈祷により神風を起した功をもって正応六年(1293年)の官符によりその称号を奉られた。」(境内由緒書きより)

 「 ・・・布宇神社がある。この社の西方小丘を300mたどると、湖畔往還近くに元宮跡が地名で残っている。」(島根県歴史の道調査報告書山陰道Ⅱ)

 「尚、現在の境内も雰囲気はいいが、字名からすると旧社地は北の海岸付近であることがわかる。」(出雲国風土記注論)

 雲陽誌に、「風宮 素盞鳴尊をまつる、【風土記】に布宇社あるは是ならむか、縁起なし故に垂跡勧請年暦しれず」とあります。

 「玉湯町史」に、合祀神社として、「根尾神社、宝神社、王子神社、岩木原神社」があげられています。

 出雲風土記:布宇社ふうのやしろ
 延喜式:
 主祭神:大己貴命おおなむちのみこと
 配祀神:素盞鳴命すさのおのみこと級長戸辺命しなとべのみこと下照比売命したてるひめのみこと
 境内社:金刀比羅神社
 境外社:岩木原神社
 所在地:松江市玉湯町林本郷1204
 訪問日:2021年6月6日

アンテナ付近に神社がある。社名碑

長い石段の参道石段の上に狛犬が並ぶ。

鳥居の前を道路が横切る。

隋神門前の狛犬

随神門手水舎

狛犬の乗った石灯籠社務所拝殿

拝殿内の扁額本殿境内社 金刀比羅神社

境内の全景




松江の神社