市穂神社いちほじんじゃ


 上意東本谷奥組の集落へ上がったところのカーブの脇にあります。参道の石灯篭は亀の背に乗っていますが、出雲金刀比羅宮の石灯籠も同じように亀の背に乗っています。

 「上意東本谷奥組、筑陽川の水源の地に小祠ながら大社造りの神殿として鎮座する。『風土記』には市穂社の名で二社がみえ、この地に農耕集落が発生したさい、氏神としてまつられた古社で、中世は川本大明神と称して尊崇された。」(東出雲町誌)

 「川本社 寛文八年造営の棟札あり」(雲陽誌)

 「乗光寺の谷をしばらく進むと山手に登り口があって、そこには神社の跡らしき灯篭や石が散らばっていた。確かにここには何かの神社があったようである。これが同市穂社かどうかはわからない。市穂社の旧社地かもしれない。」(出雲神社探訪)

 「同市穂社に関しては知る手だてはない。但し先の『村々絵図』をみると上意東の名刹乗光寺の左手の谷を「宮谷」と記していることに注目しておきたい。現在の乗光寺の左手にも谷があり、町内案内看板には同谷に鳥居の印もみえている。」(出雲国風土記註論)

 乗光寺の谷は宮谷と呼ばれていますが、公民館の館長や山仕事をしておられた方に聞いても、神社があったということはわかりませんでした。宮谷と呼ばれていることから、神社などがあったことは確かのようです。谷を上がってみると、乗光寺から少し入った右手の林内に荒神さんが祀られており、石灯籠が残っていました。2年ほど前に崖が崩れて様子は変わっているとのことでした。

 出雲風土記:市穂社いちほのやしろ
 延喜式:
 主祭神:水罔女命みずはのめのみこと市杵島姫命いちきしまひめのみこと
 合祀:
 境内社:

 所在地:松江市東出雲町上意東2709
 訪問日:2021年2月6日


入り口にある歳徳神

鳥居をくぐると大きな石灯籠がある。手水鉢

亀の背に石灯籠が乗っている。

拝殿

本殿 荒神



 宮谷の荒神(神社跡?)

乗光寺の横から宮谷を入る。山へ入る径がある。荒神が祀られている。

灯篭の上部が残っている。




松江の神社